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高森明勅
2015.11.20 04:50

西郷隆盛の文明観

小林よしのり氏がパリのテロ事件に関連して、
西郷隆盛の遺訓を紹介されている。

さすがの着眼。

私も手元の『大西郷遺訓』(頭山満講評)から、
いささか重複するが、
西郷の文明観に関する箇所を引用しておく。

イスラム国をはじめ、欧米が直面している難題への重要な示唆に
なっているからだ。

文明とは道の普(あまね)く行はるるを言へるものにして、
宮室の荘厳、衣服の美麗、外観の浮華を言ふに非(あら)ず。
世人の西洋を評するところを聞くに、何をか文明と云ひ、
何をか野蛮と云ふや。
少しも了解するを得ず。
真に文明ならば、
未開の国に対しては、慈愛を本とし、
懇々説諭して開明に導くべきに、然(しか)らずして残忍酷薄を事
とし、己を利するは野蛮なりと云ふ可(べ)
し」と。

これから、過去の「残忍酷薄」な植民地主義と、
現代のグローバリズムの「野蛮」への、壮大な復讐が始まるのか。

或いは、それはとっくに始まっていた、と言うべきか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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